相続ブログ

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新コンパニオン税理士【第三話】~モモとメイ~

2018年02月08日

谷本事務所では、盆と正月の年二回、事務所の広報誌を発行しています。
上昇気流という名前です。入社して早速、私、さやかが編集することになりました。
丁度、ゴーヤを育て上げたので、ゴーヤの成長記録と立派に実ったゴーヤを載せることにしました。
7月には、谷本事務所でビアパーティーを開催するので、その写真も載せて、
谷本事務所の雰囲気をお客さんに伝えようと。
そして、上昇気流を見た人たちが、谷本事務所で勤めようと思ってくれたら、
変な求人誌よりよっぽど役に立つかなと思ってしまいます。

事務所で、ごそごそ編集作業をしていると、希子先輩がやってきて
「森本さん、上昇気流の編集?大変でしょう。私もよくやらされたよ。
谷本先生は何も手伝わないくせに、あれこれ言ってきて大変でしょう。」
私は、すかさず
「本当に、その通りです。先生は何も手伝ってくれないんですよ。」
常日頃の不満が爆発します。
「森本さん、そう言わずに、頑張ろうよ。いい経験になるよ。」
希子先輩は、笑顔で励ましてくれます。

「そうそう、私がいなかった間の上昇気流見せてもらえないかな。
上昇気流を読めば事務所の動きもよくわかるから。」
私は、手元にある、過去の上昇気流を希子さんに手渡しました。

希子さんは、楽しそうに上昇気流を読みながら、急に大きな声で
「可愛い!」独り言と言うより叫び声でした。
「さやかさん、この可愛い犬はどうしたの?101匹わんちゃんやね。」
満面の笑みで希子さんが話しかけます。
「そういえば、谷本先生は犬好きでしたね。私が事務所にいたときも、
モモちゃんという柴犬をかわいがってはったし。

モモちゃんが亡くなったときの谷本先生の悲しがってた顔をまだ覚えてるくらい。」
そう、もう5年以上まえの話かな、先生の愛犬、モモが死んだのは。
あのときの先生の話、まだ覚えてるくらいです。
 

小説

新コンパニオン税理士【第二話】~出会い~

2018年02月08日

谷本先生は、希子さんの顔を見ながら久しぶり感いっぱいで話をしています。
「希子ちゃん、ラスベガスはどうだった?」
「楽しかったですよ。イリュージョンのアシスタントをしながら、マジックの勉強をしてたんです。
でも、私は、手先が器用じゃないんでマジックはなかなか上達しなかったですね。
イリュージョンは楽しいのですが、道具が高額でなかなか手が出ないんです。
日本で税理士をしながらお金を貯めようと思ってるんです。先生、また雇ってくださいね。」
先生の目を見ながら、少し微笑み気味に甘えたように話します。
 
流石、希子先輩、祇園の売れっ子コンパニオンで、
いろんな店から引く手あまた時給も五千円超えだっただけのことはあると、横で静かに見守っています。
私も税理士試験受けようかな、そうは思うものの、私の頭では無理かな。
それにお金もないんで、夜も働くので勉強する暇もないものね。
 
希子さんはまた続けます。
「先生、私が留守にしていた間の出来事を、いろいろ聞かせてくださいね。
まずはこんな綺麗な職員さんを雇うなんて、相変わらず隅に置けませんね。
まずは、森永さんでしたっけ、彼女の話から聞かせてね。先生。」
 
ということで、これからは、先生と希子さんのいろいろな話を、
私、森本さやか28歳が書き留めていきたいと思います。
 
 
森本さやかと谷本先生の出会い。
 
希子さんのまず始めの質問は
「先生、森本さんとはどうして知り合ったんですか?」でした。

谷本先生は、静かに思い出すように話を始めました。
「あれは、確か昨年の11月だったかな。お客様がいろいろお世話になっているのでと食事に誘ってくれたんです。
木屋町のたん鹿で食事をよばれて、その後、くらがり通りのポルシェっていうお店に連れて行ってもらいました。」
と言って私の方を向いて話します。
「ポルシェは、上手に商売をされている店で、クラブ風な、今流行のニューキャバでしたね。さやかちゃん。」
私に聞かれても、まだ、水商売に入ったところで、
クラブもキャバクラもニューキャバも違いなんて知ってるわけないのに、先生は聞いてきます。もちろん答えは。
「先生、私が知ってるわけないでしょ!」わかってて聞くんだから。
まだその時は、入って直ぐで右も左もわからなかったのですが、先輩に言われて、
私のお客さんの大事なお客さんらしいから、粗相の無いようにしてねと言われて、ヘルプで入ったんでした。
 
その時、先生の住まいが私と同じ長岡京市だったので、
話が盛り上がってラインを交換して、何回か、食事に連れて行ってもらいました。
3回目の食事だったと思うのですが、あれは確か永楽館での食事だったと思います。
谷本先生はこんな風に話されました。
「さやかちゃん、僕は税理士業っていうのは、サービス業だと考えているんです。
ですから、お客さんが来られたら、お茶を出すにしても、それなりの人がそれなりの物を出さないと。
物は、いくらでもいい物を買うことができるのですが、
接客は、やっぱり綺麗で愛想のいい若い女性がいいじゃないですか。
祇園で上手に接客できる人なら、日本一の接客になるでしょ。
ですから、是非とも、さやかさんにうちの事務所に来てほしいんです。」
真剣な顔で言われたら、つい考えてみますと言ってしまいました。
 
数日、考えて先生に返事をしました。
「私でお役に立つなら、同じ長岡京市に住む者として、地域社会の発展のため頑張らせてもらいます。
でも、私、今、お金がないので、週末は祇園でアルバイト許してくださいね。」 
先生は嬉しそうに微笑んで
「もちろん、大丈夫ですよ。さやかさんが来てくれたら、お客さんは喜んで足を運んでくれるから、
我事務所にとっても、プラスになるはずです。一緒に仕事をしてくれてありがとう。」
希子さん、こんな具合で、事務所で働かせてもらってます。
 
これからは。希子先輩も帰ってくるので、事務所をもっともっと明るくして、先生の目標である、生きがいのある企業創りに頑張りましょうね。  
 
こんな感じで、話が進みます。希子先輩と谷本先生が話し合ったことを、
私、森本が出来るだけ忠実にお伝えさせていただくので、これからも楽しみにしてくださいね。
 

小説

新コンパニオン税理士【第一話】~再会~

2018年02月08日

 日々の仕事の中で感じたこと等を、小説風に紹介していきます。
勿論、内容はフィクションです。楽しく読んでいただけるよう考えていくつもりです。
 
登場人物は、

谷本先生 向日市で税理士を登録して35年。地域社会の発展、
生きがいのある企業を創るために頑張っている税理士です。でも、祇園には、ちょこちょこ顔を出しています。
 
安田季子 祇園でコンパニオンをしながら、税理士となり、
3年前にマジシャンとなるためにラスベガスへ修行に行っています。

 森本さやか 祇園のコンパニオンで、お客様のあしらいが上手だったので、谷本先生がスカウトして入社、
谷税理士事務所の受付、総務担当として、活躍しています。
 
主な、登場人物は、3人で、いろいろな事件を通して、相続の問題を中心に書かしてもらいたいと考えています。
 
 


7月の初旬、まだ梅雨は明けず蒸し蒸しと暑い朝、谷本先生は大きく育ったゴウヤをのんびりと眺めています。
向日市からもらったゴウヤを私たちが育てたものを、あたかも自分が育てたように見つめています。
さかのぼる4月のある日、向日市の広報誌にゴウヤの苗を差し上げますという記事が載っているのを谷本先生が見つけ私に向かって、「森本さん向日市で配るゴウヤの苗、申し込んで。」と簡単に言います。
私は入社して一月も経ってないのに、あれこれと用事を言いつけます。
正直、右も左もわかっていない私にとっては大きな迷惑です。
森本さやか28歳、これなら祇園でコンパニオン一本で頑張っていた方が楽だったかなと思ってしまいます。

でも、谷本先生曰く、いいのは若いうちだけですよ。今のうちに手に職つけておかないと…
その言葉に騙されて、向日市で税理士事務所の受付、総務として働いています。
週末には、コンパニオンとしてお店に出ることも認めてもらっているので、嫌になったら、辞めたらいいかと思っているうちに、3ヶ月経ってしまいました。
 
5月にもらった苗を、プランターと土と肥料をコーナンで買ってきて、一人で植え付けました。
始めは棒を伝って大きくしたのですが、その後、大きなネットを2階の窓から垂らしました。
ゴウヤはネットを伝って大きくなり2階の窓まで届きました。
花も咲き、実を付け、大きなものは20㎝以上の大きさになっています。
谷本先生は、自分が育てたように、
「森本さん、ゴウヤチャンプルにでもして食べて感想を言って、僕はゴウヤ嫌いやから。」
人の好みも考えず勝手に言ってます。
「先生、私も嫌いです。」思わず言ってしまいました。
私はゴウヤって食べたこともないし、自分で料理をする気もありません。
ということで、事務所のベテラン主婦が持って帰って食べることになりました。
無農薬ですから、安全面は保証できますが、味の方はどんなものでしょうか?
 
そんな日々が続いていたある日、防犯カメラの映像に、凄く綺麗なひとが写っています。
マイナンバーの制度ができ、保管を厳しくするように色々な法律ができたので、谷本事務所も、
保管庫の鍵閉めを徹底し、防犯カメラも取り付けて、もしもの事態に備えています。
 
谷本事務所は、向日町郵便局から長岡京市方面へ物集女街道を250メートルほど行った阪急電車のガードの手前右側にあります。隣が美味しいたこ焼き屋さんで、その隣といえば、地元の方には、よくわかっていただけます。3階建ての建物の2階3階を事務所として使っています。
 
事務所に上がる階段にも防犯カメラはついていて、お客様が上がってくれば、直ぐにわかるようになっています。防犯カメラに写った綺麗な女性も、事務所の階段を上がってくるではないですか、私は思わず先生に
「綺麗な人が来はりましたよ。」と叫んでしまいました。

谷本先生は、綺麗な人に反応して、防犯カメラのモニターの前に駆け寄ります。
「希子ちゃん!」先生は大声を張り上げ、事務所の玄関へ駆け出します。
事務所の自動ドアが開き、来客を知らせるチャイムがなるまでに、愛犬が主人の帰りを待ち焦がれるように玄関で来客を迎えます。
「先生、ただ今。」綺麗な女性が言うやいなや、先生は抱きつくような勢いで近づき
「希子ちゃんいつ帰ったの?帰るなら連絡くれたらいいのに。」と嬉しそうに言っています。
 
あぁ、この人が安田希子さん、先生と祇園で知り合って事務所に入り、税理士を目指して勉強し、税理士となって先生の片腕として活躍した大先輩でそうです。先輩からあれこれ聞いていましたが、本当に綺麗な人だったんですね。先生が鼻の下を伸ばすのも十分に理解できます。
 
「さぁ、事務所に上がって、会議室でこの3年間どうしてたか教えて。森本さんおいしいコーヒー持ってきてね。そして一緒に話を聞こうよ。」先生は、楽しそうに話します。
 
3階の会議室にコーヒーを運んで、3人で話をすると言うより、2人の話を私が聞くと言う感じです。

小説

コンパニオン税理士

2013年05月13日

コンパニオン税理士
(この話はフィクションです。)
 
 毎日が退屈。

 お金もろくにないし、旅行にもいけない。

 京都の北にある二流大学に通う女子大生、安田季子です。

 親は普通の会社員、それも高校生のときまで。

 大学の入学と時期を同じくして両親は離婚、それ以後は母と一緒に暮らしています。

 母は、パート。

 父の慰謝料とパートの収入で暮らしているのですが、私のお小遣いまでは回ってきません。

 
 学費と生活費のたしにといいアルバイトを探していたら、友達からいい情報が。

祇園のFクラブのコンパニオンに入ると、時給が三千円から。

 人気が出たら、時給は上がるし、同伴して、お客さんと一緒にお店に入ると、時給にプラス三千円。

 もう、貧乏から抜け出すにはこれしかないと、面接に行くことにしました。

 
 一人では淋しいので、高校時代からの友人と一緒に面接へ、面接と言っても簡単なもの、店長が出てきて、ただ会って簡単な話をするだけ。

 採用なら、携帯に電話をかけるとのこと。

 私にはその日のうちにいつから来れるかと電話がありました。

 私の友人には、何の連絡もなし。

 何か悪いことをしたような気がしますが、生活のためにはそんなことも言っていられません。

 早速、来週からアルバイト。

 時給三千円で、9時から1時まで、4時間で12,000円。

 でも、セット代と、帰宅時の送り代、税金を引かれると、手取り10,000円のスタートでした。

 私は、この仕事に向いていたのか、3ヶ月もすると結構人気者。

 時給も四千円にあがって、同伴も増えて、アルバイトとしてはいい収入になりました。

 
 同伴に誘っていただくお客様に税理士さんがいました。

 谷山 憲明先生、50代でちょっと助平なおじさんですが、親切にいろいろなところに食事に連れて行ってくれて、いろいろな話をしてくれます。



これから、私が経験した事例や、谷山先生からいろいろ聞いたことを、皆さんにお知らせします。
 週に一度、TANIナビのブログにアップするので、皆さん覗いてくださいね。
 

相続税Q&A

遺言無効訴訟が提起されている場合の申告

2013年04月04日

 被相続人は長男にすべての財産を相続させる旨の公正証書遺言書を作成していたが、長男は申告期限までに当該遺言書について、無効確認の訴訟が提起されたことから、まだ未分割であるとして法定相続分で課税価格を計算して申告した。


 長男は未分割であるとして申告することはできません。
 

 長男は有効な遺言書により相続財産を取得していることから、分割されていないときには該当しません。
 

 なお、長男は、当該遺言書について無効確認の判決等が確定したときから、4月以内に更正の請求をすることができます。
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