相続ブログ

相続についてのポイント

相続土地国家帰属制度とはどのようなものですか?

2022年09月06日

1 相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律について
 令和3年(2021年)4月に、「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律」が成立しました。この法律の施行は、令和5年(2023年)4月27日から施行されることとされています。
 この法律ができたことにより、相続等によって土地を取得した人は、要件を満たした土地を国庫に帰属させることが可能になりました。これまではそのような制度がなく、相続した人が放置し、結果として所有者が分からないようになることがあったため、そのような土地をなくすためにこのような制度が新設されました。

2 土地を国庫に帰属させるための要件について
 土地を国庫帰属させるための要件としては、簡単にまとめると、下記のようなものがあります。
 ①境界が不明でなく、所有権に争いがないこと
 ②担保権・用益物権が設定されていないこと
 ③通路など他人による使用が予定されている土地でないこと
 ④土地上に建物がないこと
 ⑤管理・処分を阻害するような工作物・樹木等又は地下埋設物がないこと
 ⑥土壌汚染がないこと
 ⑦管理・処分に過分の費用・労力を要するような崖地でないこと
 ⑧その他管理・処分に過分の費用・労力を要する土地として政令で定めるものに当たらないこと
 
 また、モラルハザード抑止の観点から、土地を国庫に帰属させる際には、一定の負担金を支払うこととされています。
 その金額等については、相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律施行令案で定められることになっており、先日までパブリックコメントの対象となっていました。
 案文のまま成立すれば、あまり管理のいらない雑種地、原野等であれば20万円、200㎡程度の市街地にある宅地であれば79万3000円程度となります。
 詳細については、相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律施行令案をご確認ください。

3 新しく相続土地国家帰属制度ができたことにより、不要な土地を国庫に帰属させることも一つの方法として考える必要が出てきました。
 その他の土地の活用・売却などのご相談にも対応可能ですので、お困りのことがあればぜひ谷税理士法人までお問い合わせ下さい。
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