「で、森本さん、このダルメシアンは先生どうして飼わはったの?」
私が入社する前の話なので、良くは知らないのですが、先輩からはこんな風に聞いてます。
谷本事務所のお客さんに、不動産所得と給与所得の確定申告を依頼されてたお客さんがいらっしゃったそうです。
その方は、大手企業にお勤めの普通の会社員です。
その方が、ある日、先生のところへ来られて、会社を辞めて、
趣味と実益を兼ねて、犬のブリーダーをしたいと相談されたようです。
先生は、やめときなさいと止められたそうですが、
後日また来られて、どうしても私の夢ですからブリーダーをしたいとおっしゃったそうです。
そこで先生は、言わなくてもいいのに、そこまで思ってるのなら頑張ってやりましょう。
初めて生まれた子供は、私が買ってあげます。と言ったそうです。
どんな犬のブリーダーをするのかも聞かずに、お客さんがやるならと即決されたそうです。
後日、そのお客さんが、ダルメシアンのブリーダーをされると聞いたときも、
101匹ワンちゃん、これは可愛いだろうねと笑ってられたそうです。
それから、2年、その方は、メスのダルメシアンを連れて北海道までいって、子供を作ったそうです。
そして翌年には子供もでき、お家へ子犬を見に行って、最初に目の合った子犬をもらわれたそうです。
その子がメイです。5月に生まれたそうですから、メイなんですって。
女の子で、普通ならブリーダーの手元に置いて、繁殖に使うのですが、
メイはオッドアイ(右目と左目で目の色が違う)で、ダルメシアンのオッドアイの女の子は、
遺伝的に難聴の子供を産む可能性が高いので、分けてもらえたそうです。
やってきたのは3ヶ月の時だったのですが、ダルメシアンの先祖は猟犬で、
馬車の時代イギリスでは、馬の前を走って、オオカミが出てきても戦うような犬だったそうです。
ですから、体力は十分にあって、散歩の時もリードを、思いっ切りひっぱるので、
家族の皆、手や肩や腰を痛めて、えらい騒ぎだったそうです。
それでは大変と、トレーナーさんに家庭教師に来てもらって、
どうにか散歩も行けるようになったとのことでした。
今は、谷本事務所の上昇気流のページをかざる、看板犬として活躍しています。
希子さんは、呆れたような顔をして、
「谷本先生らしいいね。あまり考えずに、直ぐに決めてしまうんだから、きっと、奥さんに怒られてるよ。」
と言ったかと思うと、その後、大笑い。私も、つられて笑ってしまいました。